ストーリー

北の大地のものづくり

- 北民ができるまで -

木に新たな生命を吹き込む

「北海道民芸家具」はとことん素材にこだわります。主材である樺の木は年輪が細かく肌目は繊細緻密。非常に堅く機械強度が大きく接着性も抜群です。それだけに成長は遅く、良い家具材になるまでは途方もなく長い年月を待たなければなりません。限りある資源、親子代々大切に使ってもらえる家具を作ることは、環境保護にも繋がるのです。

1964年から私たちの間で受け継がれてきた、「家具を作ることで木に新たな生命を誕生させる」という大切な信念。樺の木に樹齢以上の家具としての寿命を与えることは、私たちの大きな使命です。

製材工場から運び込まれた樺材は、工場の広大な空きスペースに高く積み重ねられ、約半年から2年間「天然乾燥」されます。ここで木の水分は20%前後に絞られ、続く「人工乾燥」でゆっくりと約8%前後まで減少します。そしてこの工程による反りや歪みを除去するために、さらに約1か月間の「養生」が行われます。製品化後の木の歪みを確実に防ぐために、乾燥工程にここまでの時間と手間をかけるのも、私たちの素材へのこだわりのあらわれです。

匠技と機械が織りなす美と格調

乾燥工程を終えた木材は、多くの工程を経て美しい家具へと変わります。良質な部分のみを所定の寸法の板や角材に裁断する「木取り」、家具のどの部分になるかを決め切断する「部分加工」はコンピュータ制御の機械で、そして熟練した職人が巧みなカンナかけやノミ扱いで仕上げる「組み立て加工」へ。組み上げられた家具は手作業で繰り返し研磨されます。

最終工程は家具の出来栄えや品格を決める「塗装」です。一般的に行われている組み立て前の部材ごとの塗装では、組み立て後に色調が異なる恐れがあります。そこで「北海道民芸家具」では、白木地での組み立て完成後、植物系ラッカーでの塗装~拭き取り~研磨を手作業で10回ほど繰り返します。クリアラッカーでの最終仕上げも含め、植物系高級塗料での塗装を何度も繰り返すのも、きめ細やかな温もりある木肌を最も美しく見せ、さらには補修や再塗装しやすい生活具を目指す私たちならではのこだわりです。

環境への温かな視点が、人への優しさへ

北の大地で樹齢を重ね、ようやく伐採期に達する樺の木。その一本一本が、こうして多くの熟練工の手で慈しむように家具へと作り上げられ、長く愛される生活具となっていきます。限りある資源を大切に、有効に活用すること。自然への畏敬と環境保護への想いは、創業の頃から今日に至るまで、私たちの間で脈々と培われてきました。ホルムアルデヒド等、有害化学物質を含まない接着剤や塗料を使い、合板には建築基準法の最上級材F☆☆☆☆を選択。地球にやさしいもの作りは、人の健康にもやさしいもの作りでもあります。安心して使っていただける「北海道民芸家具」、家具を通じて親から子へと受け継がれる家族の物語は、これからも新しい時を刻み続けることでしょう。